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【2024/02/01】 健康メモ 骨折を予防するために

浅沼整形外科  浅沼雄貴 (市報/令和6年2月号)

 

 寒い時期、風邪や心筋梗塞、脳卒中といった病気も増えますが、転倒による骨折も多くなります。特に、雪や地面が凍っている時、不要不急な外出をしないといった予防策も重要ですが、残念ながら、高齢の方は自宅内で転倒して骨折するケースも多いのです。
 骨折すると、歩行が困難になるなど、日常生活の質が低下します。従って、平時から骨折予防に目を向けることが大切と考えられています。骨折のしやすさの指標として、骨密度(YAM値)があります。YAM値とは、若年成人平均値という意味で、若年成人女性の骨密度を100%としたときに、自分の骨密度が何%かという比較値です。YAM値が70-80%を下回ると、骨折の危険性が増す、骨粗鬆症の疑いがあると判断されます。
 特に、閉経(月経が終わった)後の女性の方、男性は少し遅れて60歳代後半から骨密度が低下し、骨粗鬆症を発症しやすくなります。骨粗鬆症の方に起こりやすい骨折として、橈骨遠位端骨折(手首の骨折)、大腿骨近位部骨折(股関節の付け根の骨折)、椎体圧迫骨折(背骨の骨折)、上腕骨近位端骨折(肩の付け根の骨折)が代表的です。特に、大腿骨近位部骨折や椎体圧迫骨折は、座ったり、歩いたりが困難になる等、生活の質を著しく低下させます。
 骨粗鬆症は様々な治療があります。気になった方は、骨折する前にお近くの整形外科で、まず相談されてみてはいかがでしょうか。