1. 予防接種とは
予防接種は、いろいろな感染症に対する免疫を持たない者を対象に行われるもので感染予防、再発防止、症状の軽減、病気の蔓延防止などを主な目的としています。
感染症にかかりやすい年齢は、百日せき・麻疹0~2歳、水痘1~4歳、風疹・おたふくかぜ3~4歳、日本脳炎5歳以下と40歳以上などとなっています。予防接種は、かかりやすい年齢になる前に完了していることが必要です。
2. 予防接種の分類(行政上)
定期の予防接種:
四種混合(ジフテリア、百日せき、破傷風、ポリオ)、二種混合(ジフテリア、破傷風)、ポリオ、MR(麻疹、風疹)、日本脳炎、BCG、ヒブ、小児肺炎球菌、子宮頸がん、水痘、B型肝炎、ロタウイルス、高齢者インフルエンザ、成人肺炎球菌
任意の予防接種:
おたふくかぜ、A型肝炎、成人風しん、その他定期接種で対象年齢の枠外に行うもの。
3. 予防接種の分類(性質上)
一般に、ワクチンの種類は大きく分けて、
- 1. 生ワクチン
- 2. 不活化ワクチン
- 3. 成分(組換えタンパクワクチン・サブユニットワクチンなど)
- 4. ウイルスの設計図(遺伝情報)を用いたワクチン
などに分けられます。
・生ワクチン
ウイルスや細菌などの病原体を弱め、病気を起こさないようにしたものです。接種すると、その病気に自然にかかった場合とほぼ同じように免疫がつくことが期待できます。ワクチンの成分自体が「感染」をおこします。
MR(麻疹、風疹の混合)、麻疹、風疹、おたふくかぜ、水痘、BCG、ロタ
・不活化ワクチン
感染する力をなくした(不活化という)病原体を用いるワクチンです。生ワクチンと違い感染しませんが、免疫の付き方は少し弱くなります。
インフルエンザ、ポリオ、肺炎球菌(プレベナー)
・組換えタンパクワクチン・サブユニットワクチンなど
病原体の成分・部品である「タンパク質」を投与するものです。
子宮頸がん、B型肝炎、ヒブ、百日咳、帯状疱疹
・ウイルスの設計図(遺伝情報)を用いたワクチン
:mRNA(メッセンジャーRNA)ワクチン、ベクターワクチン、DNAワクチン
これらのワクチンでは、ウイルスの部品にあたるタンパク質の設計図(遺伝情報)や、遺伝情報をのせた運び屋(ベクター)を投与します。その設計図をもとに、ヒトの体の中(細胞)でウイルスのタンパク質の一部がつくられ、さらに、ヒトの細胞が自ら作ったそのタンパク質に対する免疫がつきます。
新型コロナ
4. 混合ワクチンとは
あらかじめ2種類以上のワクチンを混合したワクチンです。
・四種混合ワクチン(DPT-IPV):ジフテリア+百日咳+破傷風+不活化ポリオ
・二種混合ワクチン(DT):ジフテリア+破傷風
・MRワクチン:麻しん+風しん
5. 接種対象年齢
小金井市のホームページをご参照ください。
6. ワクチン接種前の注意
(1)予診票の記入について
予診票は対象者の健康状態を知り、安全に予防接種を行うための資料となりますので、あらかじめ保護者あるいは本人が責任を持って正確に記入してください。
小児の方は、あらかじめ、小金井市から配布の「予防接種手帳」をよくお読みになってから接種をうけてください。インフルエンザの場合は各医療機関に予診票及び注意書きが置いてあります。
発熱の有無、慢性の心臓・肝臓・腎臓疾患の有無、けいれん(ひきつけ)の有無、ワクチンの成分及び抗生物質による過敏性の有無、妊娠の有無、感染症の現在の既往状態、免疫抑制剤及びその治療の有無、これまでの予防接種の既往などについて、記入してください。また、母子手帳をお持ちください。
(2)次のような方は接種を受けられません。
①明らかな発熱を呈している方(37.5℃以上)
②重篤な急性疾患にかかっていることが明らかな方
③当該疾病による予防接種の接種液の成分によって、アナフィラキシーを呈したことが明らかな方
④MRワクチンでは、ガンマグロブリンの注射を受けてから3-6か月たっていない方
⑤後の項で示した接種間隔に達していない方
⑥麻疹、風疹、水痘、流行性耳下腺炎、などにかかって治癒してから1か月たっていない方
⑦その他医師が不適当と判断した場合
(3)次のような方は接種医とよく相談してください。
①心臓血管系疾患、腎臓疾患、肝臓疾患、血液疾患及び発育障害等の基礎疾患を有することが明らかな方
②予防接種で全身性発疹等のアレルギーを疑う症状を呈したことがある方
③過去にけいれんの既往のある方
④過去に免疫不全の診断がなされている方
⑤接種するワクチンに含まれる成分にアレルギーがあるといわれた方
⑥発育が悪く、医師や保健師の指導を継続して受けている方
⑦未熟児で生まれて発育の悪い方
7. ワクチンの接種間隔
● 「注射生ワクチン」の接種後27日以上の間隔をおかなければ、「注射生ワクチン」の接種を受けることはできません。
● それ以外のワクチンの組み合わせでは、前のワクチン接種からの間隔にかかわらず、次のワクチンの接種を受けることができます。
● 接種から数日間は、発熱や接種部位の腫脹(はれ)などが出ることがあります。ルール上接種が可能な期間であっても、必ず、発熱や、接種部位の腫脹(はれ)がないこと、体調が良いことを確認し、かかりつけ医に相談の上、接種を受けてください。
参考資料
1.厚生労働省「ワクチンの接種間隔の規定変更に関するお知らせ」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou03/rota_index_00003.html
8. 同時接種について
前もって混合されていない2種類以上のワクチンを、同じ日に同じ医療機関で続けて接種することを「同時接種」といいます。
従来から「医師が特に必要と認めた場合に行うことができる」とされていましたが、最近では乳児期に接種すべきワクチンの数が増え、同時接種を行うケースが増えてきました。海外では同時接種は一般的に行われており、日本小児科学会でも同時接種を勧める見解が出されております。
9.接種スケジュールについて
乳児期に接種すべきワクチンが増えており、ワクチンの種類によって接種できる月齢や接種の間隔が決まっております。同時接種するかどうかも含めかかりつけ医にご相談ください。
(予防接種スケジュールの例)
・NPO法人VPDを知って、子どもを守ろうの会 http://www.know-vpd.jp/
スケジュール表 http://www.know-vpd.jp/dl/schedule_age7.pdf
・詳しくは日本小児科学会 http://www.jpeds.or.jp/modules/general/index.php?content_id=9
の表もご参照ください。 http://www.jpeds.or.jp/uploads/files/vaccine_schedule.pdf
※実際に接種する際は、必ず接種するかかりつけ医とご相談・確認をしてください。
11. 他市との乗り入れについて
小金井市では近隣の市と予防接種の相互乗り入れを行っています。府中市、昭島市、清瀬市、国立市、国分寺市、小平市、狛江市、東村山市、東大和市、武蔵村山市、立川市、三鷹市、武蔵野市に住んでいらっしゃる方も接種できますので、各医療機関におたずねください。