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【2021/12/01】 健康メモ 眼瞼(がんけん)けいれんとは

アクウェルモールさくら眼科 南雲はるか (市報/令和3年12月号)

 

 眼瞼けいれんという病気をご存じでしょうか?けいれんという言葉から想像されるようなまぶたがピクピクする病気ではなく、スムーズな瞬きが上手くできなくなり不快な症状が出てくる病気で、症状も目がしょぼしょぼする、まぶしい、目の周辺が不快、痛い、目が乾く感じなどドライアイに似た症状を呈するのが特徴です。抑うつ、不眠など精神症状を持つ人もいて、うつ病などと間違えられることもあります。
 40~50歳以上に多く、女性は男性の2.5倍も多いです。目がまったく開けられないほどの重症例は少ないですが、軽症例を含めると、日本には少なくとも30~50万人以上の患者さんがいると推定されています。しかめ面のような表情になるのが特徴です。
 多くの場合は原因不明ですが、安定剤、睡眠導入薬、抗精神病薬の服用や化学物質への暴露が原因や誘因になっている場合もあり、その場合は可能な限りこれらの薬を中止したり、暴露しないようにすることが大切です。
 根治的に治す方法はありません。最も用いられる治療は対症療法(症状を改善する治療)で、目の周りの皮膚にボツリヌス毒素Aを少量注射して、目の周りの筋肉を緩める方法です。これによりかなりの方が症状が落ち着き以前よりも楽に日常生活が送れる可能性があります。ほかには、クラッチ眼鏡のように眼鏡に目の周りの筋肉を刺激するものを取り付けてまぶたを開きやすくする方法もありますが、いずれも補助的な治療です。
 当てはまるような症状があり点眼治療をしても改善が少ない方は、ぜひ専門の先生に相談してください。