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【2020/07/01】 健康メモ 熱中症予防には冷えたペットボトルを持ちましょう

 小金井リハビリテーション病院 川内基裕  (市報 令和2年7月号)

 

 今年も暑い夏を迎えそうです。夏に向かって熱中病にならないように気をつけましょう。
 米国スタンフォード大学のクレイグ・ヘラー教授は、熱中症の治療に効果的な特殊な冷却手袋を発明しました。この手袋に手を入れて軽い陰圧をかけると、手の平の動脈と静脈をつなげている動静脈吻合と呼ばれる細い血管が拡張します。拡張した血管に流れる血液を手のひらを通して冷水で冷やすことで、これまでの頸部、腋窩、そけい部を冷却する方法より効果的に下げることができるというものです。
 実際には40℃の部屋でトレッドミル歩行を行い、食道温が39.2℃になったら①安静にする②頸部、腋窩、そけい部を冷却する③冷却手袋で手のひらを冷却するの3通りの方法を比較しました。安静での体温降下は10分間で0.04℃、頸部等の冷却では0.17℃、手の平冷却手袋だと0.30℃という結果を報告しています。
 では、冷却手袋のない私たちは実際にはどうすればよいのでしょうか。NHKの番組で私たちにもできる効果的な方法を考案・紹介してくれました。自動販売機のペットボトル(5℃)がすこしあたたまったくらい(15℃)のものを持って歩くと15分くらい冷却効果が続くということです。また、ペットボトルを持って歩くと、上半身の運動をしながら歩く効果もあります。
 この夏は冷えたペットボトルを持って歩く人が増えそうですね。