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【2024/07/01】 健康メモ 認知症の話

武蔵野中央病院  三明裕知 (市報/令和6年7月号)

 

 認知症は65歳以上の人口の5人に1人がなるといわれており、自分や親兄弟・親戚・知り合いなども含めると皆さんにもかかわりがあるのではないでしょうか。
 昨年、日本ではアルツハイマー型認知症に対しての初めての疾患修飾薬であるレカネマブが承認されました。これまでの薬が症状を和らげたりするのに対して、原因そのものにアプローチして進行の抑制が望める薬です。認知症克服の第一歩であることは確かなのですが、まだ問題点はたくさんあります。適応になるのは初期段階の一部の患者さんだけであること、高額の費用がかかること、治療が行える施設が限られていること、薬による副反応があるなどです。
 となると現時点では、認知症にならないことが大切でしょう。果たして認知症にならない方法はあるのでしょうか。ならないのは難しいにしても、なりにくくする方法はありそうです。高血圧や糖尿病などの生活習慣病は認知症になる可能性を1.5倍程度増やすことが分かっているので、その予防・治療をしっかり行うことは重要です。また、運動習慣・社会活動への参加も認知症の発症を予防することが分かっています。
 さらに社会全体として認知症と共存できる体制、いわゆるバリアフリー化の推進が必要です。認知症の人が尊厳を保持しつつ希望を持って暮らすことができるように社会の体制、人の意識を変えていくことが重要だと考えます。
 自分のできることから始めてみましょう。