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【2023/06/01】 健康メモ 私たちの中に住む小さな仲間たち

桜町病院  植木ひさよ (市報/令和5年6月号)

 

 今回コロナ禍で、私たちは日々、感染の危険にさらされているのだと実感しました。その中で、私たちは生き残るために自分で考えて行動しなればいけないと考えました。マスクやワクチンも大切ですが、自分自身の対抗する力(免疫力)はもっと大切です。バランスのとれた食事・睡眠・適度な運動での体力作りが大事です。ここでは最近免疫と深く関わっている事がわかってきた腸内細菌を紹介しましょう。
 私たちの腸の中には100種類以上・100兆個以上の腸内細菌が住んでいます。それぞれが集団を形成し、絶えず勢力争いを続け、その産物は私たちの体に大きな影響を及ぼします。俗に言う悪玉菌が増え過ぎてバランスが崩れると体に弊害が起きます。免疫力も低下、ほかさまざまな体調不良を起こすことが分かっています。一方、バランスがとれていると、免疫はもとより生活習慣病改善や心の安定にも寄与してくれます。
 腸内細菌は3歳までに作られると言われ、その後はバランス変化があっても基本的に変わらないとされています。外から菌を入れても定住しません。だから、もともといる腸内細菌たちをうまく育てることが大切です。
 良い働きをする腸内細菌の好物は水溶性食物繊維・オリゴ糖などです。腸内細菌は多種で好き嫌いも違います。多品目で摂ってあげることも重要です。
 汗をかく程度の30〜60分の運動を週3回以上(腸管の働きを高める)も効果的です。
 皆さんも自分の中に住む小さな仲間たちを大切に育ててあげてください。