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【2021/04/01】 健康メモ 手のしびれ-手根管症候群-

 東小金井さくらクリニック 豊泉泰洋  (市報 令和3年4月号)

 

 手がしびれると首や脳のせいかもしれないと心配になる事があるかもしれませんが、手根管症候群という病気をご存じでしょうか?
 正中神経という神経が手首の位置で、きっかけ無く圧迫されて起こります。中年以降に起こる事が多く、男性よりも4倍ほど女性に多く発症します。特別な原因の無く発症しますが、透析療法を受けている方、手首の骨折をした事がある方、糖尿病のある方などがなりやすい傾向です。妊娠中や授乳中の比較的若い方もしびれとして同症状を自覚することがあります。しびれは親指~中指の手のひら側と薬指の親指側半分がしびれ、夜間から明け方にかけて強くなることが多いです。人によってはしびれが強くなり、夜間に目が覚めてしまうほど痛くなることがあります。進行してくると親指の付け根の筋肉がやせ、親指と人さし指でOKサインが丸くきれいにできなくなります。
 診断に関しては整形外科もしくは神経内科に受診すると良いでしょう。手がしびれる他の疾患と鑑別の後、レントゲン検査やMRI、超音波検査、筋電図検査など行い診断をつけます。治療は軽症なら消炎鎮痛薬の内服や装具療法を行います。症状によって注射療法や手術をして神経を除圧します。
 治療成績は症状が出てから早いほど、年齢が若いほど、症状が軽いほどよく治ります。決して少なくない病気ですので、気になる方はお近くの医師にぜひご相談ください。