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【2020/03/01】 健康メモ 便秘をよくするには

 小金井つるかめクリニック 石橋史明  (市報 令和2年3月号)

 

 便秘は誰しも多少は経験したことがあると思います。実際、平成25年の厚生労働省の国民生活基礎調査によると、便秘に悩む方は全人口にすると男性で2.6%、女性で4.9%とされており、決してまれではりません。旅行等で環境が変わると決まって便秘になってしまったり、妊娠中にひどい便秘で悩まされたり、風邪薬の影響で便秘になってしまったり等、きっかけは様々だと思います。こういった特定の原因がある場合は、その原因がなくなれば多くの便秘は治りますので、病気とは呼びません。
 一方で、便秘症の中には、詳しく調べた方がよい場合や、治療が必要なこともあります。例えば、1か月以内に急激に発症して進行する場合や、腹痛・血便などの症状を伴う場合、糖尿病や甲状腺機能低下症と診断されている場合などが該当します。大腸癌や治療が必要な全身疾患を抱えている可能性があり、長く放置することが危険なこともあり注意が必要です。
 これまでの研究で、便秘の発症リスクとして、朝食を食べない生活習慣、一口の咀嚼回数が30回未満、1日の水分摂取量が1500mL未満、不眠症の方などが報告されています。これらに加え、高齢の方の場合は活発な運動習慣が便秘の改善に有効であるというデータもあります。便秘で悩む場合に、いきなり薬で治療というのではなく、生活習慣を意識してみることから始めてみるのが良いでしょう。