小金井市医師会の公式ホームページです。小金井市内の目的の医療機関がお探しいただけます。

会員専用ページ
お知らせ

【2023/08/01】 健康メモ 花粉症の薬について

かわだ耳鼻咽喉科  川田往嗣 (市報/令和5年8月号)

 

 国民病とも言われる花粉症(季節性アレルギー性鼻炎)のシーズンが過ぎ、鼻汁、鼻閉やくしゃみといった鼻症状が落ち着いている方も多いと思います。今年のスギ花粉の飛散量は例年よりも多く「効いていた薬が効かない」と受診される方も多くいらっしゃいました。
 花粉症の薬と言えば内服薬を思い浮かべると思いますが、アレルギー性鼻炎の治療ガイドラインには症状にあわせて内服薬、点鼻薬を単独もしくは併用することが提示されています。代表的な薬には抗ヒスタミン薬があり、第1世代と第2世代に分類されますが、眠気などの副作用が出にくい第2世代が主に処方されています。その中でもビラノア、アレグラ、デザレックスの3つは特に脳内移行率が低い(眠くなりづらい)と言われています。抗ヒスタミン薬は複数の種類の化学構造式が存在し、効果不十分な場合には他系統の薬に変更すると効果的なこともあります。抗ヒスタミン薬の効果や副作用については個人差が大きく、実際に試してみないと分かりません。
 また、妊娠中に花粉症が増悪、新たに発症する方もいます。さらにホルモンバランスの影響でうっ血性鼻炎の傾向となり症状はより悪化することがあります。催奇形性が問題となるのは妊娠2~4か月と言われ、この時期はできるだけ投薬は避けた方が良いですが、症状が強い方は治療を行うこともあります。
 これから秋の花粉症がある方はかかりつけ医と相談してお薬を決めてみるのもいいかもしれません。