お知らせ
【2023/07/01】 健康メモ 全身麻酔について
在宅24クリニック小金井 福岡俊宗 (市報/令和5年7月号)
皆様は全身麻酔をしたことがありますでしょうか。
仕事で全身麻酔をかけることがありますが、麻酔を受ける患者さんによく聞かれることは「麻酔がかからないことがありますか?」「途中で麻酔が覚めることがありますか?」ということです。答えはどちらも「No」です。
もちろん医療に絶対はないですが、麻酔をする際には患者さんの年齢、体重、既往症などをもとに最適の薬の量を調節しています。また、全身麻酔中も常に心拍数、血圧、酸素濃度をモニタリングしており、ちょっとしたバイタルの変化にも注意し、監視しております。
通常の全身麻酔では、寝て起きたら手術は終わり、病棟に帰る時に次第に意識がはっきりしてくることが多いです。
ここで1つ注意として、喫煙をしている方は、全身麻酔を受ける際には最低4週間前から禁煙しましょう。喫煙をしていると、術中・術後の呼吸器合併症の発症リスクが3から5倍上昇し、喫煙していない人に比べ肺炎などを起こしやすくなります。また、心臓や血管にも影響を与え、血栓症や狭心症のリスクも増えます。術中や術後の痰の量も増え、術後の創傷の治癒も遅延することも明らかになっています。
当然ですが、病院では喫煙はできません。入院中は禁煙せざるを得ないことになりますが、それよりも早く禁煙することで手術後も合併症のリスクが減り、退院も早くなる可能性があります。
全身麻酔を受ける方も、もちろん現在健康の方もぜひ禁煙をお勧めします。