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お知らせ

【2025/08/01】 健康メモ パーキンソン病とパーキンソン症候群

武蔵野中央病院  綿引定清 (市報/令和7年8月号)

 
 パーキンソン病の主な症状は①ふるえ(振戦)②動作が遅い(動作緩慢)③筋肉が固い(筋固縮)④転びやすい(姿勢保持障害)です。
 その他の症状に自律神経症状(起立性低血圧、便秘)、感覚障害(嗅覚低下)、精神症状(うつ、不安、認知症)などがあります。
 65歳以上の高齢者に多く、65歳以上では100人に約1人で、人口の高齢化に伴い増えています。パーキンソン病と症状が似ていてパーキンソン病でないものをパーキンソン症候群とまとめて呼んでいます。
 パーキンソン病の原因は脳にあるドーパミンという神経の刺激を伝える物質を作る細胞が減るためです。病気の原因は不明ですが、関係している遺伝子がいくつか指摘されています。
 パーキンソン症候群の原因はいろいろです。主な原因は①脳梗塞、脳出血などの後遺症②薬の副作用③ウイルス性など脳炎の後遺症④脳の変性疾患(原因不明で現在根本治療がない病気)などです。
 パーキンソン病はパーキンソン病の薬が良く効くことが特徴の1つになっています。
 現在のところパーキンソン病を予防する方法はありません。パーキンソン症候群にならないためには、脳の動脈硬化の予防、薬物の副作用に注意することが必要です。
 パーキンソン病は自律神経が障害され、そのため血圧の調整、体温の調整も障害されます。夏は熱中症に気を付けて過ごしてください。