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【2024/09/01】 健康メモ いつのまにか骨折と骨粗鬆症とその予防

桜町病院  増岡一典 (市報/令和6年9月号)

 

 整形外科外来で診療を行なっていると、何もしていないのに、腰痛や腰背部痛を訴え、外来を受診する患者さんがいます。診察後、画像検査を行い、脊椎に圧迫骨折(骨粗鬆症性椎体骨折)があることが判明し、説明すると「えー、何もしていないのに骨が折れてしまうのですか」と聞かれることがあります。
 このように外傷の既往なく、ちょっとした日常生活動作で生じた骨折を「いつのまにか骨折」といいます。
 このような骨折が生じる原因として骨粗鬆症があります。骨粗鬆症は骨量が減り、骨が弱くなるため、折れやすくなります。また、骨折により日常生活動作に障害が生じ、要介護の原因になることもあり、その予防が重要です。
 予防の基本は、食事と日光浴、運動です。バランスの良い食事とカルシウムの摂取が重要です。骨の形成に重要な役割をするビタミンDは、食事からの摂取だけでなく、紫外線にあたる(日光浴)と皮膚からも合成されます。夏は木陰で30分位の日光浴も有効です。適度な運動は、骨粗鬆症を予防し骨折を起こしにくくします。簡単にできる運動として、ウォーキングをおすすめします。
 今回、いつのまにか骨折の話を中心に述べさせていただきましたが、すでに骨粗鬆症と診断されている方は骨折の予防に薬物療法が必要になることもあります。気になることがありましたらかかりつけ医にご相談してみるのも良いと思います。