お知らせ
【2024/06/01】 健康メモ 膝に水がたまるのはなんで?どうしたらいいの?
桜町病院 島田崇史 (市報/令和6年6月号)
膝が腫れるというのはよく見られる症状の一つだと思います。
けがやばい菌によって膝関節が腫れることはありますが、今回は原因がはっきりしないで関節内に水がたまった場合についてお話したいと思います。
膝の水は関節液という液体であり、膝関節の動きをスムーズにする潤滑油としての役割と関節軟骨に栄養を与える役割があります。つまり、関節液自体は膝関節において重要な役割を担っており、通常、皆さんにも2、3ml程度の量が存在します。水がたまる状態になる時はこの関節液が異常に増えてしまった状態ということなのです。
関節液は、膝関節内に存在する滑膜という組織で作られています。
つまり、関節液の増える原因としては、この滑膜の炎症(滑膜炎)に起因することがほとんどです。滑膜炎を生じる主な疾患として、変形性膝関節症や関節リウマチ、痛風、偽痛風、半月板損傷などが挙げられます。このような疾患によって滑膜が増え滑膜炎を引き起こし、多い人だと60ml程度の関節液がたまることもあります。
では、膝に水がたまった状態ではどうしたらいいのでしょうか。基本的には、たまりすぎた関節液が自然に消失していくことはありません。関節内の炎症が改善しない限り、関節液が増え続けるためです。そのため、滑膜炎を改善させることが大切になります。
膝に水がたまることがありましたら、まずはお近くの整形外科で、検査や処置をご相談されてみてはいかがでしょうか。