小金井市医師会の公式ホームページです。小金井市内の目的の医療機関がお探しいただけます。

会員専用ページ
お知らせ

【2023/12/01】 健康メモ 息切れについて

小金井太陽病院  河本修身 (市報/令和5年12月号)

 

 息切れは医学用語では呼吸困難といいます。息を吸ってもまだ足りないと感じることで、主観的なものです。息切れで受診される時には肺の病気をまず心配されるでしょうが、実は多様な疾患で生じます。呼吸機能が実際に低下している時は呼吸不全と記載し、心機能が低下してもやはり息切れを生じ心不全と記載します。新型コロナ感染症流行でパルスオキシメーターが普及して酸素飽和度が注目され、測定された方も多いと思います。確かに酸素飽和度の低下で息切れを生じますが、それ以外の要因も重要です。例えば貧血で酸素飽和度は低下しませんが、血中の酸素が減るために息切れを生じます。息切れの原因は気管支喘息、COPD(慢性閉塞性肺疾患)、肺動脈血栓塞栓症(エコノミークラス症候群)、肺炎、気胸、肺高血圧症、心不全、腎不全、貧血、甲状腺機能亢進症、脚気、発熱、肥満、不安神経症などさまざまです。多様な疾患の鑑別が必要です。患者さんのお話を伺って、診察し、血液検査や心電図、胸部レントゲンなどで息切れの診断をします。
 息切れは放置していると症状が進行したり、治療が困難になったりしますので、息切れの症状で困った場合はまずかかりつけの内科の先生に相談していただくとよいでしょう。診断に最も重要なのは息切れがいつからどのような時に生じるのかなどの病歴ですから、あらかじめメモして受診していただくと助かります。