小金井市医師会の公式ホームページです。小金井市内の目的の医療機関がお探しいただけます。

会員専用ページ
お知らせ

【2023/04/01】 健康メモ 足のむくみについて

小金井太陽病院  矢野浩己 (市報/令和5年4月号)

 

 皆様、誰もが一度は足のむくみを自覚されたことがあるのではないかと思います。むくみにも多くの原因があり、またすぐに治療を要するものから様子を見ていいものまでさまざまです。すべてを、列挙するのは枚挙にいとまがありませんので、日常の診療で比較的よく遭遇する病気を中心にお話ししようかと思います。
 まず、むくみは、血管と細胞の間にある部分(間質といいます)に、水分が異常にたまることによって起こります。正常との見分け方ですが、指を当てて圧迫した時に深く圧痕が残ればむくみがある可能性があります。ただ、皮膚がパツパツに張って圧痕が残らないむくみもありますので、一概には言えません。しかし、重要なサインと思います。その他には、日常より足が重い、歩行が難しい、靴下の跡がいつもより深いなども注意する所見と思います。また、左右で足の太さが明らかに違うというのも大切で、太いほうにむくみがある可能性があります。両手で輪っかを作って、同じ高さの足の回りにあてがって、左右の違いをみるのもいい方法です。
 次に、むくみをおこす病気についてお話ししますと、まず両方にあるか片方にあるかで、疑う病気が違ってきます。両方にある場合は、心臓(心不全)、腎臓(腎不全)、肝臓(肝硬変)、甲状腺の病気、栄養不良、薬の副作用などが挙げられます。片方にある場合は、静脈のつまりや静脈の瘤、リンパの流れの障害、感染症などです。夜間は足を少し高くして眠ってくださいとか弾性ストッキング着用といった簡単な指導や塩分や水分制限、過量飲酒の制限で様子を見る場合もありますが、早めの治療の対象となる場合もあります。
 まず、足を見てむくんでいないかなと意識を持つことは大切です。皆様も一回試してみてはいかがでしょうか。