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【2022/06/01】 健康メモ 初夏の食中毒にご注意を

あらたこどもクリニック 荒田美影 (市報/令和4年6月号)

 

 今年の梅雨はどれくらい続くのでしょうか。
 湿度も気温も上がってくるじめじめとしたこの季節、食中毒が気になります。
 細菌性食中毒は食べ物を介して人体に侵入、症状を引き起こす病気で、原因となる菌は複数あり、発症までの潜伏期もさまざまです。症状は消化器症状が主なもので、腹痛をはじめとして、菌が口から入って胃で悪さをしていれば嘔吐しますし、消化の流れとともに腸へ移動すれば下痢も出てきます。時に発熱を伴うこともあります。
 中でも腸炎ビブリオやカンピロバクターによる食中毒は、初夏から夏にかけて感染者が増える傾向にあるので注意が必要です。腸炎ビブリオは魚介類に付着しており、主に刺身や、魚介を調理したまな板・包丁の使いまわしなどから感染します。潜伏期はおよそ1日です。カンピロバクターは肉類(特に鶏肉)や生乳に潜んでおり、バーベキューや焼き鳥の肉が生焼けだった場合に発症することがあります。潜伏期は2、3日と長めです。
 いずれの菌に対しても、治療は水分補給と対症療法が主となり、重篤化は稀ですが、症状改善までには個人差が大きく、まずは感染予防が大切です。
 食材は買ってきたらすぐに冷蔵庫へ入れ、調理の直前に冷蔵庫から取り出す、調理の際はしっかり中まで火を通す、を守りましょう。もちろん調理前後の手洗いも忘れずに。
 もし食中毒を疑って受診をする際は、食事を一緒にした人に同じ症状の人はいないか、2、3日前からの食事内容なども伝えられるとよいでしょう。