お知らせ
【2022/04/01】 健康メモ 「健康」であること
桜町病院 三枝好幸 (市報/令和4年4月号)
コロナ禍にあって痛みや苦しみの中にある方々に心からお見舞い申し上げます。
さて、日本人の2人に1人ががんになり、3人に1人ががんで亡くなっています。がんが予防できれば一番いいのですが、もしなってしまっても早期発見・早期治療によりがんも治る時代です。がん検診は定期的に受けられることをお勧めします。
でも進行がんになってしまったらどうしましょう。手術治療、放射線治療、抗がん剤治療といった標準治療を受けられる方が多いと思いますが、多くの方が様々な苦しみや悩みに直面していると思います。ですから、診断された早い時期からホスピス緩和ケアに繋がっていることはとても大事なことだと考えています。ホスピス緩和ケアは決して死ぬことをお手伝いするものではありません。残された人生をどう生きるかのお手伝いをしています。
WHOの健康の定義は「病気ではないとか、弱っていないということではなく、肉体的にも、精神的にも、そして社会的にも、すべてが満たされた状態にあること」としています。たとえ病気が治らないとしても、痛みから解放された日常生活が送れるなら、病気の人でも「健康」に近づいていけるのではないでしょうか。私たちは辛くなく過ごせる1日を積み重ねていくことをめざし、病気を抱えながらもうまく病気と向き合えるためにはどうしたらいいかということを一緒に考えていきます。ケアを必要としている方々が、いつでもケアを受けられることを願っています。