お知らせ
【2021/07/01】 健康メモ 尿管結石
小金井橋さくらクリニック 平澤 潔 (市報 令和3年7月号)
尿管結石は一生のうちに男性の7人に1人、女性の15人に1人がかかると言われる身近な病気で、特に夏になると多くなります。というのは尿の中にはカルシウム、シュウ酸、尿酸などが含まれていて、夏に暑くなって水分摂取が減ると尿が濃縮されて、尿中のこれらの物質が結晶化しやすくなり、さらに大きくなると結石を形成すると考えられるからです。尿管結石の成分は患者さんの70%がシュウ酸カルシウムですが、尿酸が成分の結石もみられて、高脂血症や高尿酸血症などの生活習慣病の方、特に30代から50代の男性でメタボ気味の方は注意が必要です。
結石は腎臓で形成され、尿管に落ちてくると疝(せん)痛発作という激しい痛みがわき腹のやや斜め後上方から起こり、石が下降してくると次第に下腹部に痛みが移ってきます。膀胱の壁まで差しかかると頻尿、残尿感などの膀胱刺激症状に変わっていきます。結石は大きさが5~6mm以下であれば、自然に出る確率が高いので、薬を服用しながら自然に排石するのを待ちます。小さい結石の場合は1~2日で排石することもありますが、結石が大きくて自然に排出しない場合は、体外衝撃波や内視鏡的な手術での砕石が必要になります。
尿管結石の予防としては、尿中の結石の成分が濃くなって結石を形成しないよう水分を十分に取ること、特に夏場に汗をかいた時はこまめに水分を摂ることが重要です。また、尿酸を多く含む肉などの動物性たんぱく質やビールを控えめにすることも肝要です。