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【2006/09/01】 薬と副作用

小金井市報掲載: 平成18年9月1日号 ( 深堀内科医院: 深堀 宏治 )

 

医師・薬剤師は、患者さんに有効で安全な医療を提供するため、適切な医薬品を処方し、正しい服薬を指導することに日夜努力しています。しかし、薬には、主作用(病気を治す作用、病気の症状を緩和する作用)と副作用(治療上有害な作用)とがあります。今日は、薬の副作用について話をしたいと思います。
埼玉県の救急病院で働いていたときのことです。老人病院に入院中のおじいさんが、失神(意識を失うこと)を起こしたということで、救急車で運ぱれて来ました。心電図検査をしたところ、脈が遅くなる不整脈を認めました。この方は、不整脈の薬を服用していました。この薬で不整脈を起こし、そのために失神していたのでした。薬の量を少なくしたところ、その不整脈はなくなり、失神もなくなりました。
また、皆さんはよくご存知でしょうが、帯状庖疹という病気があります。これは水痘(水ぼうそう)のウイルスが、体力が弱ったときなどこ活性化して、皮膚の一部に、痛み、紅斑、水庖などを発生させる病気です。時には長びく神経痛を起こす病気です。早期に抗ウイルス薬による治療を開姶することが、重要と考えられています。
今回は、おばあちゃんを例に挙げさせていただきます。この方は、皮膚がピリピリ痛いということで来院され、その後紅斑、水庖が出現したため、帯状庖疹と診断し、抗ウイルス薬により治療を始めました。数日して、皮膚の症状が改善していき、治療がうまくいきよかったと安心したのもつかの問でした。食欲がなくなり、また、嘔気も出現し、食事も、水分もほとんど取れなくなりました。だるいということで、寝てぱかりいました。衰弱してしまったために、救急病院に入院していただき、点滴を受けることになりました。原因は、はっきりしませんでした。しかし、まもなく食欲が出てきました。抗ウイルス薬をやめられて、数日経過していました。そごで、抗ウイルス薬の説明書を見てみましたところ、副作用として、嘔気、全身倦怠感と書かれてあり、おばあさんが病院に入院する前の、まさにその症状であったことが判明しました。
この二つの例においては、薬は必要欠くべからざるものであったと思います。されど、患者さんは薬を服用しているときに、何かいつもと違う症状を感じたときは、一度は薬の副作用ではないか、と考えてみてください。副作用が原因ならば、問題はすぐ解決するからです。