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【2018/04/02】 「食べられない」ということ

小金井市報掲載: 平成30年4月1日号 ( 桜町病院: 大井裕子 )

 

 私たちは、日ごろ当たり前のように食事をしていますが、皆さんのまわりに「食べられない」人がいることに気づいていますか?
 平均寿命が男女とも80歳を超えて健康に過ごす人もいれば、様々な理由で今までのように食べることが難しくなっている人がいます。そんな時に、何が食べられない理由なのか、専門家でなくても、その人の食べる様子を見ているとわかることがたくさんあります。
 食べ物を見る→食べ物を認識する(硬い?軟らかい?熱い?冷たい?ゆっくりかんだ方が良い?など考える)→手や道具を使って口に運ぶ→かんで塊にする→喉に送り込む→飲み込む、この一連の動作を私たちは普段何も意識せずに行っています。ところが、この中のたった一つのことができないだけでも「食べられない」のです。
 「食べられない」人の食事の様子をそばでじっくり見ていると、何ができていて、何ができていないのかを知ることができます。お箸の使い方がわからなくなっていること(失行:アルツハイマー型認知症の症状)や、炊き込みご飯の具が虫に見えること(幻視〔げんし〕:レビー小体型認知症の症状)が理由で食べられないのであれば、それに対するサポートの仕方は全く異なりますし、症状から病気を予測することも可能です。舌の動きが悪くて食べ物を喉に送り込むことができないことや、姿勢が悪くてうまく飲み込めないこともあります。時には口の中の口内炎が痛くて「食べられない」ということもあります。まずは本人に食べられない理由を聞いてみること、自分で説明ができない場合は周りでよく見ることから始めて、この情報をもって専門家に相談してみましょう。