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お知らせ

【2005/08/05】 食中毒にご注意を!

小金井市報掲載: 平成17年8月5日号 ( 小沢医院: 小澤   翠 )

 

日本の夏は高温多湿で、食品は傷みやすく、そのうえ冷たい飲料の取り過ぎや、寝不足などの不規則な生活で体調が崩れがちとなり、夏休みには国内外への旅行の機会も多く、これらを背景として食中毒の発生が増しております。

1999年の腸管出血性大膓菌(O-157)による全国的流行で、致死率の高い食中毒の恐ろしさを再認識させられました。社会環境が整備されても死亡率は増え、発生頻度も多く、大型化しております。
食中毒の病因は、細菌・化学物質・自然毒の三種類に、ウイルス(ノロウイルスなど)も加わりましたが、細菌によるものがほとんどで、菌の増殖の旺盛な気温の高い6月~10月に集中しています。最近では、室内環境が恒久化し、国際化時代の現状では、食材の輸入による感染も加わり、一年中発生を見るようになりました。
腸炎ビブリオ・病原大腸菌(O-157を含む)・サルモネラ・カンピロバクター・ブドウ球菌などによるものが多く、中でも恐ろしいものは、サルモネラとO-157を含む病原大腸菌です。
細菌性食中毒の感染発症の仕組みは、感染型、生体内毒素型、毒素型に分けられます。例えば、腸管出血性大腸菌(O-157)は、生体内毒素型の典型であり、腸管内に定着増殖し、その間に産生するベロ毒素が病因で、原因菌を殺しても腸管内で産生分泌されたベロ毒素により、発病後3~14日で溶血性尿毒症症侯群や脳症という重症な合併症へ進行し、阻止できない恐ろしさを持っています。血尿・乏尿・すぐ眠くなるなどの症状は要注意です。また感染型のサルモネラは、少量の菌でも発症し、鶏肉・鶏卵由来が多く、鶏卵は殻からのみでなく、殻が形成される前の中身がすでに汚染されていることが知られており、卵を生食する習慣による事故が増えています。大量の水様性下痢による脱水症で、ショック・急性腎不全や菌血症への危険を招きます。

 

〈家庭での食中毒の予防〉
予防の三原則は、食中毒菌を「つけない・増やさない・生かさない」ことです。それに加えて、調理する人は、日常から清潔を心がけ、また個人は体力をつけ、抵抗力を増すことが大切です。「細菌をつけない」ためには、食材は井戸水より水道水の流水でよく洗い、肉、魚、野菜などは、別々に洗い保存しましょう。何よりも大切なのは、手洗いの励行で、調理の前に下痢便に触れたり、動物(ペットなど)に触れたり、トイレやおむつ交換後などには、特に丁寧な手洗いが必要です。包丁、まな板、ふきんなどは、熱湯消毒をしましょう。
「細菌を増やさない」ためには、食材は新鮮なものを購入し、冷蔵(10℃以下)か冷凍(零下15℃以下)に保存し、食前再加熱し、調理後は速やかに食することが大切です.冷蔵冷凍では、細菌は死滅しません。
「細菌を生かさない」ために、加熱によって殺菌または毒素の不活化を心がけ、肉類・冷凍食品は中心部まで充分加熱しましょう。O-157は75℃・1分問で死滅します。下痢(特に血便)、腹痛また発熱などの症状のあるときは、できるだけ早く医師を受診され、適切な治療を受けることにより、恐ろしい合併症も防止できます。