お知らせ
【2025/07/01】 健康メモ 生活習慣病と向き合う
にしな内科クリニック 仁科善雄 (市報/令和7年7月号)
糖尿病や高血圧症、脂質異常症は生活習慣病と呼ばれ、心血管疾患や脳血管疾患の原因となることはよく知られています。生活習慣病はほとんど自覚症状がないため、健康診断で指摘されても放置してしまい、合併症を発症してしまうことが少なくありません。
生活習慣病の発症には遺伝因子、環境因子が関与しており、必ずしも生活習慣が悪いから発症するわけではありません。なかでも糖尿病は遺伝の影響が強く、標準的な生活を送っていたとしても発症してしまうことが多い疾患です。「糖尿病は生活習慣が悪いからなる病気」などと社会の誤ったイメージが、糖尿病を持つ人が社会活動で不利益を被るのみならず、治療に向かわなくなるといった弊害をもたらすことになります。
生活習慣病の改善には適切な食事や有酸素運動、レジスタンス運動などが有効とされています。しかし、生活習慣病の発症が生活習慣に起因していない場合、これらに取り組んでもなかなか改善が得られません。また、生活習慣に起因する場合でも、仕事で会食が多かったり、多忙で運動する時間を捻出できず、改善することが難しいこともしばしばあります。
生活習慣病は、原因やその方のライフスタイルに合わせて治療する必要があります。理論上は運動療法が有効でも、それを実践することが難しければ薬物治療を選択することも考慮しなくてはなりません。我々と二人三脚で、生活習慣病の改善、合併症の予防に取り組みましょう。