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【2006/08/01】 骨粗鬆症

小金井市報掲載: 平成18年8月1日号 ( 共立整形外科: 三島  市郎 )

 

①骨粗鬆症とはどのような状態でしよう?
骨粗鬆症とは簡単にいうと骨量(骨密度)が減少し、骨がスカスカになった状態です。そのため容易に骨折を起こします。
皮膚の表面が「あか」になって剥がれ落ちていつもみずみずしい皮膚を保っているように、骨もつねに新陳代謝を繰り返しています。古くなった骨は破骨細胞によって壊され(骨吸収)、新たに骨芽細胞によって再生されます(骨形成)。そのようにして丈夫な骨を維持しているわけです。
ところが、いろいろな原因で骨吸収と骨形成のバランスが崩れます。骨形成が減り、骨吸収が増えると骨量が減少して骨粗鬆症になってしまいます。骨形成減少や骨吸収増加の主な原因は、カルシウムの摂取不足や閉経による女性ホルモンの減少です。
人間の骨密度は生まれてから成長とともにしだいに増加し、20歳ごろに最も強くなりピークをむかえます。成長期のカルシウム摂取が不足すると充分な強さの骨ができませんし、さらに50歳前後で閉経して女性ホルモンが減少すると骨密度が減少して骨粗鬆症になってしまいます。つまり女性は加齢と伴に骨が弱くなる運命にあり、なるべくして骨粗鬆症になってしまうわけです。実際に現在約1,100万人が骨粗鬆症といわれており、1年間に新たに165万人が発症しています。50歳以上では男性の3.2%、女性の24%が骨粗鬆症といわれています。
②なぜ骨粗鬆症が恐ろしいのでしよう?
骨粗鬆症に注意しなければならないのは、小さな外傷でも骨折をしやすくなり、骨折の程度によっては寝たきりになってしまうからです。いろいろな統計がありますが、「寝たきり」の原因の第1位は脳梗塞などの脳血管疾患、第2位が骨粗鬆症による骨折です。骨粗鬆症で骨折しやすい部位は、肩、手首、腰、足の付け根などです。これらのうち腰の骨折は脊髄圧迫骨折といわれ、脊椎を構成している椎体とよばれる骨がつぶれたり、変形したりして発生する骨折です。背骨が曲がったり、背丈が低くなったりします。背中や腰が痛くなって動けなくなり、「寝たきり」になってしまうこともあります。
一番問題になるのは、足の付け根の骨折で大腿骨頚部骨折といいます。80歳代女性に多く、約8割は立った高さからの転倒(布団のへりにつまずくなど)が原因で、ほとんどの場合手術が必要となり、もとどおりの歩行能カを取り戻せるのは約4割の方で、残りの6割の方は杖や車椅子が必要となります。
内側型骨折と外側型骨折に分類され、内側型骨折に対する人工骨頭置換術などは全身状態が悪くて手術できないと「寝たきりになってしまいます。80歳以上の高齢者では、大腿骨頚部骨折後1年で約20%の方が死亡するというデータもあります。
③どのような検査を受ければよいのでしょう?
まずは骨のレントゲン撮影、つづいて骨密度測定、最近では血液検査(骨代謝マーカー)も参考にして骨粗鬆症診断基準によって診断されます。レントゲン検査では脊髄圧迫骨折の有無を確認し、骨萎縮の程度から診断します。骨密度測定にはDXA法、MD法、超音波法などがあります。DXA法は2種類のX線を使用して測定したい部位の骨密度を測定できます。超音波法はかかとの骨に超音波をあてて測定します。それぞれ長所と短所がありますが骨密度を数値として診断することができます。
④予防法や治療法は?
骨粗鬆症の治療の目的は骨折の予防です。骨量を増やし、骨折を防ぐためには、食事療法、運動療法、薬物療法を組み合わせて行うことが大切です。また、生活環境を整えて転倒を予防しましよう。
食事療法はカルシウムを多く含む食品(牛乳やチーズなどの乳製品、豆腐などの大豆製品、小魚、小松菜などの野菜)を毎日の食事に取り入れることと、カルシウムの吸収を助けるビタミンD(さけ、さば、うなぎ、しいたけなど)を摂取することです。運動療法は年齢に適した無理なく継続できる運動を実践しましょう。高齢の方なら毎日30分ほどの散歩でも良いといわれています。
薬物療法にはカルシウムの吸収を良くする薬、骨形成を促進する薬、骨の溶解を抑制する薬があります。実際にこれらの薬を飲むことにより大腿骨頚部骨折を起こしにくくなるというデータがあります。また、転倒の予防としては、住まいのあちこちに手すりをつけたり、階段に滑り止めをつけたり、じゅうたんやマットのふちを床に固定したり、夜間には足元が暗くならないための照明を工夫することなどがあります。